第31回
日本抗ウイルス療法学会 学術集会・総会

会長挨拶



第31回日本抗ウイルス療法学会 
学術集会・総会

会長:考藤 達哉

会 期:2023年9月14日(木)
    ・15日(金)・16日(土)
会 場:横浜シンポジア(横浜商工会議所内)

 2023年9月14日(木)~16日(土)、横浜シンポジア(横浜商工会議所内)にて、第31回日本抗ウイルス療法学会学術集会・総会を開催いたします。平成2年に設立された抗ウイルス化学療法研究会を前身とし、日本抗ウイルス療法学会は今年で33年を迎えます。今回のテーマは「ウイルス性疾患克服への挑戦」としました。  2019年末から勃発した新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、世界の状況は一変いたしました。世界では超過死亡を含めて1,500万人以上の人が命を失い、今なお多くの人がLong COVIDの症状に悩まされ、社会、医療、日常生活に甚大な影響を与えました。人類が経験する未知の感染症に対応する柔軟性と強靭な意志力が試された3年間でした。この期間のGame changerは間違いなくmRNAワクチンの開発と普及であり、科学の底力を実感した3年間でもありました。近い将来、新たなウイルス感染症によるパンデミックの発生が懸念されていますが、それを迎え撃つためには科学の力を磨いておく必要があることは間違いありません。  私が専門とする肝臓病学の領域でも、C型肝炎に対する経口直接型抗ウイルス薬(DAA)の開発と普及により、C型肝炎が「治る病気」になり、肝硬変・肝がんによる死亡者数を減少させています。またB型肝炎ワクチンの普及によって、母子感染によるB型肝炎ウイルスキャリアの発生が激減し、B型肝がんも減少に転じています。現在、B型肝炎ウイルスの「排除」を可能にする新薬の開発に世界中の研究者が鎬を削っています。肝炎ウイルスの撲滅を達成するためには、さらなる科学の力の結集が必要です。  日本抗ウイルス療法学会は、新型コロナウイルス、肝炎ウイルス、HIV、HTLV-I、Mpoxなど、様々なウイルス感染症の研究・臨床に携わっている方々が一同に介して研究成果を発表する場です。ウイルス感染症の予防、治療には共通する点も多く、ともに学ぶ場でもあります。多くの先生にご満足いただけるような学会を目指して鋭意準備を進めてまいります。ぜひ多くの演題をご登録いただきまして、横浜にお集まりいただきますよう宜しくお願い申し上げます。